隣の不器用王子のご飯係はじめました
隣のクラスの王子と作りすぎた肉じゃが





隣のクラスの遠坂(とおさか)くんは、私から見ても相当かっこいいけど、とても物静かな人だ。


気安く話しかけようものなら、クラスメイトであれ冷たい目で睨まれてしまう。


これまでたくさんの女子が彼に夢中になった。そして泣いた。どんなに可愛い子でも必ず玉砕しているのだ。


とことんクール……というか冷たいらしい。


でも、友だちの由梨(ゆり)に言わせれば、「その冷たいところが良い」そうだ。



「あー、もうどうしたら在花(ありか)にも遠坂くんの良さが伝わるかなぁ」

「だから私もかっこいいと思うよ、遠坂くん」



昼休み。お弁当を食べながら、今日も由梨は遠坂くんについて語っていた。

由梨が毎日のように語るものだから、遠坂くんと話したことなんてないのに、だいぶ彼について詳しくなってしまった気がする。


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