隣の不器用王子のご飯係はじめました
通された部屋では、大きめのちゃぶ台に、お茶碗に入ったご飯が早くも三人分置いてあった。
「ご飯は冷凍したのがあったんだけどね、おかずは今から作らなきゃだったから、ありりんが持ってきてくれて助かったよ~」
レナさんは三人分のお皿やお茶なんかを用意していて、完全に私も食べていく感じになっている。
「あの、レナさん。私は帰って食べますからお気遣いなく」
「ええ~、ありりんも一緒に食べようよ~」
「いやでも何か……私がお邪魔したら悪いんじゃ……」
私は遠坂くんの方をちらちら見ながら小声で言う。
やっぱり、恋人なんだろうな。
遠坂くんがこの部屋にいる理由を私なりに考えてみた結論はそれだった。
年上の彼女がいるのなら、遠坂くんが学校でどんな美少女に告白されてもばっさり断っているというのにも納得だ。由梨には黙っておいてあげた方が良いかもしれないけど。
だけど、私が言わんとしていることを察したレナさんはおかしそうに笑った。