隣の不器用王子のご飯係はじめました
何だろう、遠坂くんの周りだけ、どんよりとせつない雰囲気が漂ってるように見える。
レナさんは弟の残念な答えに隣で大爆笑だ。
そして私は遠坂くんの「片手で数えられるぐらいしかいない友達」に自分が入っているのかどうかが非常に気になる。
でも「入ってない」とわれたらショックだし、「入ってる」と言われたら、仮にも好きな人に友達宣言をされたようでそれはそれで……。
……追及するのはやめておこう。
「ねえありりん!ちなみにその『隠し事』っていうのは恋愛絡みですかっ?」
遠坂くんのことをひとしきり笑ったレナさんが、「はい!」と元気よく手を挙げて聞いてきた。
「えっ、あ、その……」
「お、動揺してるっぽいぞ!いやあ、職業柄他人の恋愛話には興味津々なわけですよ。特に現役女子高生の恋バナなんてねえ……うふふ……」
「いや、違うんです」
「お友達が傷つく隠し事ならそうだなあ……。あ、わかった!そのお友達の彼氏と浮気しちゃったとか!」
「違いますっ!!」
「んー、じゃああれだ。お友達と同じ人を好きになっちゃった!」