隣の不器用王子のご飯係はじめました
「わたし、てっきり知らないうちに在花に何かしちゃって、嫌われたのかもって……ずっと、不安で……」
「え?え?」
「だって在花、露骨に避けてくるんだもん!だから今日は何が嫌だったのか教えてもらって、ちゃんと謝ろうって……」
「さ、避けてたのは、遠坂くんのことで気まずかったから!もし気持ちがバレたら由梨に嫌われるかなって考えたら……こんな態度になっちゃって」
「わたしがそんなので在花のこと嫌うわけないじゃんバカ!」
由梨はとうとう涙を流し始めた。
私はどうして良いかわからなくなり、しゃがみこんで由梨の手を握った。
「ごめん……。由梨がそんな風に思ってたなんて知らなかった」
「本当よバカ!バカ!本気で心配したんだから!」
由梨はそのままひとしきり不満を吐き出した。
そうするうちに少し落ち着いてきたらしく、呼吸を整えてから、今度は落ち着いた様子で静かに言った。