隣の不器用王子のご飯係はじめました
「あはは、違うよありりん」
レナさんは、私が持ってきた肉じゃがを無言でお皿に盛りつけていた遠坂くんの肩を抱いた。
「こいつは遠坂浩斗。あたしの弟」
「お、弟⁉」
「そーそー。色々あって苗字は違うけど、同じ両親の間に生まれた正真正銘の弟!」
弟……。
なるほど、姉弟と言われれば二人は確かに似ている。
今は髪がぼさぼさでラフな部屋着のレナさんだけど、その状態でも十分わかるぐらいに美人なのだ。
「ありりんと同じ住沢高校に通ってて……あれ、そういえば学年も同じじゃない?ありりんも二年だよね?」
「あ、はい」
「えー、じゃあ廊下とかですれ違ったことぐらいあるんじゃない?顔見知りとかじゃないの?」
「えっと……どうだったかな……あはは」
顔見知りどころかめちゃくちゃ詳しく知ってます!