隣の不器用王子のご飯係はじめました
「体育祭のときのことは、遠坂くんが優しいかったからだろうってことで納得してたけど、これは一体何なの?」
「どんなずるい手を使って遠坂くんを誘いだしたわけ?」
「大して可愛くもないくせに。何?保健室に連れて行ってもらったときに、か弱いアピールでもして気を引いた?」
彼女たちは次から次へとそんな言葉を投げかけてくる。
何か言い返さないと。
そう思っていても、頭が真っ白になって何を言うべきなのかが浮かばない。
結果、私はうつむくばかりで言われたい放題だ。
通り過ぎる人たちは、私に同情するような目を向けながらも、関わらないようにさっさと行ってしまう。
だけどそんな中、後ろから私に声をかける男女二人がいた。
「在花、おはよう。そんなとこで何してるの?早く教室行こ?」
「久しぶりだね在花ちゃん。ちょっと焼けた?……って部活で真っ黒になったオレに言われたくないか」