隣の不器用王子のご飯係はじめました
「でもって付き合ってるわけじゃなかったんだな!」
「うん……付き合ってない。ていうか、どんなに可愛い子たちでもフラれてるのに、遠坂くんが私なんかを相手にするわけないよ」
「え?何で?在花ちゃんめっちゃ可愛いじゃん」
「⁉」
あまりにもサラリとそんなことを言われ、私はポカンと口を開けた。
か、可愛い?男子にそんなこと言われたの初めてなんですけど。
さすがはコミュ力おばけ。呼吸をするようにそんな褒め言葉を言ってしまえるのか。
言われた直後こそ驚いたものの、それはすぐに感心へ変わった。
だけど何故か、代わりに由梨が怒りだした。
「ちょっと杉野⁉何勝手に在花のこと口説いてるのよ!在花はこう言ってるけどね、本当は遠坂くんのこと……」
「ちょ、由梨!」