隣の不器用王子のご飯係はじめました
在花は遠坂くんのことが好きなんだ、としゃべってしまいそうになっている由梨の口を慌ててふさぐ。
でも、杉野くんはすぐに察してしまったらしい。
「あー……なるほどね。付き合ってはないけど、ただの友達ってわけでもない……って感じか」
「えっと」
「でもさ、相手が遠坂だと、またさっきみたいなことがあるんじゃない?」
杉野くんは、忌々しそうに目を細めて廊下の方を見る。
この学校の王子様と言われるほどに、本当によくモテる遠坂くん。その懸念はもっともだ。
「そうなったら、さっきみたいにわたしが守るわよ」
由梨が怒ったように言うけど、杉野くんもすぐに反論する。
「藤田だっていつでも在花ちゃんにべったりってわけにはいかないだろ?」
「そうだけど……!」
「もっと簡単な方法がある」