隣の不器用王子のご飯係はじめました
「すごーい!たっぷりあるね!食べよー食べよー」
レナさんは二人分のお皿を用意して、それぞれによそう。
それから思い出したように言った。
「そういえば、この前ありりんがひろに読むの邪魔された読み切りが載った雑誌、今日発売だったんだよね。そこらへんに転がってるはずだから読んでも良いよ~」
言われてみればそんなものがあったな。
どうして遠坂くんが頑なに見せようとしなかったのか、気になってたんだよね。
私は床の上に無造作に置かれた雑誌を見つけ、ペラペラとめくる。
見覚えのあるレナさんの絵柄を見つけ、ドキドキしながら読み進めていく。
「……」
さらさらと読みやすくて、あっという間に読み終わってしまった。
だけどこれ……
「れ、レナさん。もしかしてこの“アカリ”って、私のこと……なのでしょうか」