隣の不器用王子のご飯係はじめました




レナさんもべた褒めしてくれるし、作った物をこんなに美味しそうに食べてくれる人たちがいるのって、すごく嬉しいな。



「小野山さん、料理上手いね」



食べ終わってコップの水を飲み干した遠坂くんは、すっかりいつもの無表情に戻っていた。



「正直、しばらくの間はまともな夕飯にありつけない覚悟してた」



遠坂くんがため息混じりにそう言うと、レナさんが拗ねたように抗議した。



「ひろはあたしの料理はまともじゃないって言いたいわけー?」

「姉さんはどんな食材でもレンジで温めて塩かけるだけだから」

「ええ?だって火を通して塩味つけときゃ大抵の物は食べられるでしょ」

「……あんなに丁寧に作った肉じゃが持ってきてくれた小野山さんに謝って」



ああ、なるほど。

レナさんは以前話したときに、安くで済ませたいから出来合いの物は買わないようにしているけど料理があまり得意ではないって言ってたっけ。




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