隣の不器用王子のご飯係はじめました
「でもさあ、あたしの部屋に寝泊りしてなかったら、ありりんがひろと関わる機会ってあんまなくない?クラス違うんでしょ?」
「まあ、確かにそうですね」
隣のクラスだから全く見かけないということはないけど、基本的に学校で話したりはしない。
それに……。
体育祭でのお姫様抱っこの噂が落ち着いてきたと思っていたのに、今度は花火大会の噂が広まってしまっていた。
この状態で遠坂くんに話しかけたりしようものなら……。
ああ、もう夏休みまでみたいに気軽に会ったりしゃべったりってことはできないかもな。
「あ、ありりん!そんな寂しそうな顔しないで!大丈夫、あたし締め切りピンチになったらあいつのことちょくちょく呼び出すと思うから!!」
レナさんが焦ったようにそう言ったので、私は少し驚く。
そんな寂しそうな表情をしてた……?
その自覚はなかったと、私はそっと頬を押さえた。