隣の不器用王子のご飯係はじめました
◇
・
新学期が始まって二週間が経った。
相変わらず周囲から視線を感じることは多いけど、この前のように敵意むき出しで声をかけられるようなことは一度もない。
というのも……
「由梨、毎朝迎えにきてくれなくても平気だよ?雨も降ってるのに」
「駅から学校までの途中に寄るだけだから別に手間じゃないわよ」
いつもの時間に部屋を出れば、雨の中アパート前の駐車場で由梨が待っていた。
嫌がらせをされるならどうせ一人でいるときだけだろうと、由梨はこうして学校の行き帰りも一緒にいてくれる。
「杉野くんは朝練?」
「そうよ。雨でも屋内でトレーニングがあるって。あれ?もしかして杉野にも来てほしかった?」
「ううん……」
むしろその逆だ。
一度だけ、朝練が休みだからと杉野くんも一緒に迎えに来てくれたことがあった。
だけど、その時は正直気まずくて仕方なかったのだ。
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新学期が始まって二週間が経った。
相変わらず周囲から視線を感じることは多いけど、この前のように敵意むき出しで声をかけられるようなことは一度もない。
というのも……
「由梨、毎朝迎えにきてくれなくても平気だよ?雨も降ってるのに」
「駅から学校までの途中に寄るだけだから別に手間じゃないわよ」
いつもの時間に部屋を出れば、雨の中アパート前の駐車場で由梨が待っていた。
嫌がらせをされるならどうせ一人でいるときだけだろうと、由梨はこうして学校の行き帰りも一緒にいてくれる。
「杉野くんは朝練?」
「そうよ。雨でも屋内でトレーニングがあるって。あれ?もしかして杉野にも来てほしかった?」
「ううん……」
むしろその逆だ。
一度だけ、朝練が休みだからと杉野くんも一緒に迎えに来てくれたことがあった。
だけど、その時は正直気まずくて仕方なかったのだ。