隣の不器用王子のご飯係はじめました



由梨は私の反応に、「まあそうよねぇ」と苦笑いする。



「杉野の方は気にしてない感じだけど、普通告白されて保留状態の時なんて気まずいに決まってるわよね」

「うん……。由梨は誰かに告白された時ってどうしてるの?」



由梨はこれだけ美人だから、当然モテている。

でも由梨は、私の問いかけに少し困ったように眉を寄せた。



「あー……。わたしってさ、結構性格キツいじゃない?だからわたしに告白してくるようなのって、顔だけ見て好きになったって奴らばっかなのよね。だから気にせず断れるけど……在花の場合そうはいかないでしょ」

「……うん」



杉野くんは、同じクラスになって、少しずつ時間を共有していった上で好きになったのだと言ってくれた。

ちゃんと内面も見てくれているし、親切で私もつい頼っちゃうような人。


私が遠坂くんのことを好きでも、正直それが報われる可能性は低いと思う。そんな可能性の低いものを理由に断ることは、果たして許されるのだろうか。



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