隣の不器用王子のご飯係はじめました
遠坂くんは、服やハンガーなどを申し訳なさそうに受け取ると、お風呂場の方へ行く。部屋の構造はレナさんの部屋と同じだから、使い慣れているのだろう。
私は遠坂くんがシャワーを浴びている間、無駄に立ったり座ったり、キッチンをうろうろしたりしていた。
とりあえず温かいお茶でも淹れようと、やかんと紅茶のティーバッグを取り出す。
紅茶が入った頃、シャワーを浴びた遠坂くんが、タオルを首に掛けてキッチンへ来た。
「小野山さん、シャワーありがとう」
水も滴る何とやら。
遠坂くんの濡れた髪や肌が絶妙に色っぽい。
そして、私の見立て通り服のサイズはちょうどよかったみたいだ。
女性物だけど、暗いグレーの地味なデザインの物だったので、遠坂くんでも違和感なく着こなしている。
ていうかどう考えても私が着るより似合ってる。