隣の不器用王子のご飯係はじめました
……何か、かっこよすぎて直視してたらバチが当たる気がするな。
そう思った私は、ちょっと目を逸らしながら、入れたばかりの紅茶を手渡した。
「良かったらこれ飲んで。あったまるよ」
「ありがとう」
「今日の夕ご飯どうしようか。本当は買い物に行くつもりだったけど、この雨だと面倒だし、冷蔵庫にある物でパパっと作ろうかな」
そう言いながら冷蔵庫の中を確認。
ご飯は冷凍したやつが残ってるから炊かなくても良さそう。あとはちょこちょこ野菜もある。
あ、卵が結構残ってるな。消費期限近いし、たくさん使わないと。
「あのさ、小野山さん」
「うわ……な、何?」
頭の中で献立を考えていると、いつの間にか肩が触れるぐらい近いところに遠坂くんがいた。
ドキッとして思わず後ずさりする。