隣の不器用王子のご飯係はじめました
裏技……というほどのものでもないけど、失敗しづらい&一気に数人分作れるから、昔からオムライスを作るときはこの方法を使っている。
卵はたくさんあるから、贅沢に二人で五個。
遠坂くんはボウルの中にどうにか全ての卵を割り入れると、菜箸を使ってぐるぐる混ぜる。
私は横からそこに牛乳を加えていく。
「あとはフライパンを弱火にかけて、卵を全部流し入れて!はい、あとはとにかく混ぜる!」
遠坂くんは私の指示に従って、フライパンの中身を一生懸命にかき混ぜる。
七割ほど固まったところで「ストップ」と声をかけ、無事に卵の部分も完成した。
遠坂くんは息をつきながら、額に浮かんだ汗をぬぐっている。
「お疲れ様!あとはこの卵をご飯にかけるだけ。あ、ついでに野菜スープも作ったから、器に分けて向こうの部屋に持って行ってもらえる?」
「了解」