隣の不器用王子のご飯係はじめました
なるほど、遠坂くんはアシスタント代わりというわけか。
遠坂くんはため息をついて不満そうに言う。
「まあ俺もバイト代もらえるしここからなら学校も近いしそこは良い。ただ毎晩塩かけただけの料理出てくるのかと思うとだいぶ憂鬱」
「文句言わないでよー。ひろだって料理できないでしょ?コンビニの弁当とかは高くつくから避けたいしぃ」
レナさんも遠坂くんにつられて大きくため息をついた。
……その様子を見ていた私がこんな提案をしたのは、本当に軽い気持ちからだった。
「じゃあ、私が作りましょうか?」
「え?」
「あ、だから夕ご飯ぐらいなら今日みたいに私が作ってもってくるというのはどうかなあ、と」
遠坂くんとレナさんが顔を見合わせた。
そして同時に驚いた表情で私に顔を向ける。