隣の不器用王子のご飯係はじめました
「わわ、そうだったんだ!でも、本当にただの余りものだったし、そこまで気にさせちゃって逆に申し訳なかったな」
「ううん。あのクッキー、すごく美味しかった。ものすごく遅くなったけど……ありがとう」
うわああ!クッキー、絶対にまた焼こう。
ていうか、今の『ありがとう』は破壊力がやばかった。
口元がどんどんにやけていく。
ああもう、色々嬉しくて眠れなくなっちゃいそうだな……。
──なんてことを思っていたけど、今日一日の疲れはなかなかのものだったらしく、数分後には瞼が重くなるのに抗えなくなっていた。