隣の不器用王子のご飯係はじめました
「え……、ありりん、それ本当?」
「はい。ご迷惑でなければ」
「毎日?」
「必要とあらばもちろん」
「……てことは毎日三人分ご飯作らなきゃだめなんだよ?大変すぎない?」
「中学生の頃は毎日家族の分作ってたので大丈夫だと思いますよ。……あ、でも材料費は出してもらえると助かります」
「ててて、天使~!!ひろ!ここに!天使がいるっ!」
レナさんは高い声で叫びながら、私のことをギューッと強く抱きしめた。
く、苦しい……。
「姉さん、小野山さんが死にそうになってる」
「へっ⁉わ、ごめんありりん!」
「だ、大丈夫です……」
ようやく解放してもらえた。
だけどレナさんのテンションは落ち着くことはなく、相変わらず嬉しそうな笑顔を向けてくる。
「そっかそっか。よし、じゃあ材料費は払わせてもらうね!あー、でもやっぱこーいうのって技術費も必要だよねぇ」
「いえいえ!そんなのはお気になさらず……」
「そーいうわけにもいかないって!あ、じゃあこうしよ!」