隣の不器用王子のご飯係はじめました





「……というわけで、班別研修の予定表を完成させたところから帰りね~」



先生の言葉に、あちこちから「面倒くせえ」だとか「明日で良くなーい?」といった不満の声が上がった。


二週間後に迫った修学旅行。

班別研修の班は、クラス内の男女三人ずつ計六人で構成されている。


女子は無事由梨と一緒になれて安心したんだけど……。



「どう?在花ちゃんは行きたいところある?」



杉野くんも一緒だった。

他に一緒の班になってくれる男子にあてがなかったから、誘われて断れるはずがない。


爽やかで人懐っこい笑みを向けられるたび、気まずさと罪悪感で胸が締め付けられる思いがする。



「はいはい!!わたし、サンゴと貝殻のアクセサリー売ってるお店行きたい!」

「おいおい藤田、今在花ちゃんに聞いてたんだけど」

「だって在花も欲しいでしょ?沖縄っぽいアクセサリー!」

「うん、そうだね」



由梨が気を利かせて、気まずい雰囲気になるのを止めてくれる。



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