隣の不器用王子のご飯係はじめました
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以前小野山さんに、俺は誰かと付き合ったりしないのかと聞かれたことがある。
もともと人と話すことが苦手な俺は、恋人をつくるなんてもってのほかだと思っていた。
俺に好意を寄せてくれる女子が多いことは知っているが、それに応えたことは一度もない。
だけど正直、人見知りのせいで恋をしていないことに、どこか安心もしていた。
恋はあまりしたくない。
悪い例を、あまりに身近で見てきたから。
両親が離婚したのは、俺が小学五年生のとき。
原因は、父親の不倫だった。
子どもの目から見ても、両親は仲が良いように見えたから、本当に驚いた。
何でも相手の女性は父の元恋人だったが、その女性の両親に反対され別れさせられたらしい。
その後父は母と結婚したが……その女性を想い続け、外でこっそり会っていた。
そのことが明るみに出た後も、母は冷静に見えた。
粛々と離婚の手続きを済ませ、俺たち姉弟と共に、母の実家近くの地に引っ越した。
以前小野山さんに、俺は誰かと付き合ったりしないのかと聞かれたことがある。
もともと人と話すことが苦手な俺は、恋人をつくるなんてもってのほかだと思っていた。
俺に好意を寄せてくれる女子が多いことは知っているが、それに応えたことは一度もない。
だけど正直、人見知りのせいで恋をしていないことに、どこか安心もしていた。
恋はあまりしたくない。
悪い例を、あまりに身近で見てきたから。
両親が離婚したのは、俺が小学五年生のとき。
原因は、父親の不倫だった。
子どもの目から見ても、両親は仲が良いように見えたから、本当に驚いた。
何でも相手の女性は父の元恋人だったが、その女性の両親に反対され別れさせられたらしい。
その後父は母と結婚したが……その女性を想い続け、外でこっそり会っていた。
そのことが明るみに出た後も、母は冷静に見えた。
粛々と離婚の手続きを済ませ、俺たち姉弟と共に、母の実家近くの地に引っ越した。