隣の不器用王子のご飯係はじめました
俺は台所へ行って冷蔵庫の中身を確認する。
現在この家に住んでいるのは母一人。
冷蔵庫の中はスカスカだった。
それでも、買い置きされている玉ねぎや冷凍ご飯、パックに入った卵は見つけることができた。
よし、これならちゃんとあれが作れる。
小野山さん直伝のオムライス。
スマホで小野山さんに送ってもらったレシピを確認しながら、工程を思い返す。
カレーは一人で作ったら完全に失敗してしまったけど、今度こそ。
戸棚からフライパンを取り出して調理を始める。
不思議と、各工程ごとに小野山さんのアドバイスが蘇ってきて、スムーズに進められた。
とはいえ慣れない作業を一人でしたから、結局、小野山さんと一緒に作ったときの倍は時間がかかってしまった。
卵も、火を切るタイミングがわからなくて、この前のようなとろとろではなく普通の炒り卵のよう。