隣の不器用王子のご飯係はじめました
伝えたい気持ち
◇
・
『ちゃんと歯ブラシは入れた?酔い止めは?お母さん確認してあげられないから不安だわぁ』
「大丈夫、自分でちゃんと確認するから。それに、荷物の運び込みはまだちょっと先だもん。今日は足りない物を買っただけ」
この土日で修学旅行に必要な物を買いそろえてきた私は、実家のお母さんと電話で話ながら荷造りをしていた。
電話の向こうでお母さんは心配そうに言う。
『部屋着、ちゃんと若い子が着るような可愛いやつにしなさいよ。在花ちゃんのことだから普段はどうせバーゲンで買ったダサい柄のトレーナーか何か着てるんでしょ』
ギクッ
さ、さすがお母さん、お見通しか……。
『同じ部屋の皆が可愛い部屋着の中で一人ダサいヨレヨレの服は恥ずかしいわよ?』
「はあい。……明日もう一回買いに行ってきます」
私は荷物の中から、使い込まれた部屋着セットをそっと抜き出した。
可愛い部屋着ね……。わかんないから明日由梨に聞いてみよう。
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『ちゃんと歯ブラシは入れた?酔い止めは?お母さん確認してあげられないから不安だわぁ』
「大丈夫、自分でちゃんと確認するから。それに、荷物の運び込みはまだちょっと先だもん。今日は足りない物を買っただけ」
この土日で修学旅行に必要な物を買いそろえてきた私は、実家のお母さんと電話で話ながら荷造りをしていた。
電話の向こうでお母さんは心配そうに言う。
『部屋着、ちゃんと若い子が着るような可愛いやつにしなさいよ。在花ちゃんのことだから普段はどうせバーゲンで買ったダサい柄のトレーナーか何か着てるんでしょ』
ギクッ
さ、さすがお母さん、お見通しか……。
『同じ部屋の皆が可愛い部屋着の中で一人ダサいヨレヨレの服は恥ずかしいわよ?』
「はあい。……明日もう一回買いに行ってきます」
私は荷物の中から、使い込まれた部屋着セットをそっと抜き出した。
可愛い部屋着ね……。わかんないから明日由梨に聞いてみよう。