隣の不器用王子のご飯係はじめました
私の指摘に、由梨は「やだ」と言って頬を押さえる。
由梨は身長が高くて大人っぽい美人だから、睨まれたりすると威圧感がある。本人もそれは気にしているみたいだ。
「それにしても、あんな可愛い子でもだめなんだね」
私は中庭を見下ろしながら呟いた。
この学校では、中庭が絶好の告白スポットとなっているけど、2-1の教室に面した廊下からはその様子がよく見える。
遠坂くんがそこに呼び出されるなんてほぼ毎日のこと。
だから、その様子をうかがうことが由梨の日課になっている。