隣の不器用王子のご飯係はじめました
うう……
ただでさえお風呂で暑いのに、由梨が変なことを聞くからさらに暑くなってきた。
そんな由梨が、今度は何故か私の胸元をじっと見つめてくる。
「な、なに?」
「んー?在花って痩せてるわりに胸あるなーって思って」
「ちょっ!あんま見ないでよ……。ていうか由梨のが全然おっきいし……」
「まーね。でも修学旅行のお風呂と言えばこういう会話が定番かなって思って」
「もう!あー暑い……。私、先に出るよ。出口のとこで待ってる」
「先に部屋に戻ってていいわよ。わたしはもう少しゆっくりしてくから」
まだまだお風呂を堪能し足りないという様子の由梨を置いて、私は大浴場を後にする。
部屋に戻ったら、さらに遠坂くんのことを根掘り葉掘り聞かれるんだろうな……。
日中は同じ班の杉野くんが近くにいたから、一応由梨も遠慮して遠坂くんの話は振ってこなかったけど、話を聞きたくてたまらないというのが顔に出ている。