隣の不器用王子のご飯係はじめました
「お?もしや在花も遠坂くんに興味が湧いてきた?」
「あ、別にそういうわけじゃ。単にちょっと不思議だっただけ。どんな子ならOKするのかなって」
と言ったけど、ちょっと興味が湧いたのも事実。
だって、昨日私の料理をすごく幸せそうに食べてくれた遠坂くんと、あんなに可愛い後輩の女の子のことを冷たく振っていた遠坂くんが同じ人のように思えなくて。
「んー、きっと女子と付き合うの面倒くさいって思ってるんじゃない?ファンクラブの情報網にも他校に彼女がいるって話もないし。えー、『一年の田中さん(読者モデル)──×』と。よし、報告完了」
どうやらファンクラブのグループに今の告白の結果を知らせているらしい。
由梨は任務完了、という顔をして私の肩に手を回す。
「よーし、待たせてごめんね在花。お昼ご飯食べよ」
「うん」
「あれ、今日はコンビニ?珍しいね」
「あー……昨日夕ご飯作る量少なくて、お弁当にする分が残らなかったんだよね」