隣の不器用王子のご飯係はじめました
「あっはは!在花ってば最高のリアクション!!」
「もう!」
「本当はわたしも混ざりたかったけど、わたしがあの中にいたらすぐドッキリだって気付かれると思って皆に任せちゃったのよねぇ」
「あれやっぱ計画したの由梨⁉」
私は深くため息をついた。
由梨は備え付けのテレビを付けながら説明し始めた。
「遠坂くんのファンクラブね、実は内部で派閥があったのよ。あの冷たい遠坂くんを遠くから見つめるのが大好き派、相手にされないことは理解してるけどあわよくば派、冷たい遠坂くんにいつか幸せそうに笑って欲しいから幸せにしてくれる誰か現れてくれ派……って感じでね」
「へ、へえ……」
「わたしは元々『あわよくば派』だったわけだけど、遠坂くんへの気持ちが恋じゃないって気付いてから、『幸せそうに笑って欲しい派』に移ったの。……遠坂くんに彼女ができたことで、ファンクラブは実質解体になったんだけど、『幸せそうに笑って欲しい派』はちょっと派生してね」