隣の不器用王子のご飯係はじめました



由梨はスマホのメッセージアプリの画面を私に見せた。

それは二十人ぐらいのグループで、グループ名は……



「遠坂・小野山カップルを応援する会……いや何これ⁉」

「大丈夫。ただ二人のことを陰ながら見守って、邪魔する奴がいたらこっそり排除しようっていう超健全な会だから」

「健全なの⁉排除とか言ってるのに⁉」

「純粋な気持ちで二人を好きになった人のことは邪魔しないわ。排除対象はあくまで、嫌な小細工して別れさせようとするような人とか、直接攻撃してくるような人だけだから」



それなら安心……なのかな?

……いやいや、陰ながら見守られてるのも恥ずかしいけどね⁉



番組に好きな俳優が出演しているらしく、由梨は「きゃああ」と奇声を発しながらテレビを見始めた。

こうなっては、これ以上何か言ってもまともな返事は来ないだろう。


そう思って私も明日の下見としてガイドブックを見ていたら、CMに入ったところで、由梨が突然スマホを見ながらこんなことを言った。



< 242 / 251 >

この作品をシェア

pagetop