隣の不器用王子のご飯係はじめました



それ、運命じゃない?……なんて思ったけど、これ言ったらたぶん由梨に怒られるな。

わたしが好きなのは遠坂くんなんだから変なこと言わないで!とか何とか。



「小野山さんはいつも藤田と一緒にいて疲れないの?」

「ちょっと!在花は優しい優しいわたしの親友だからそんなこと思わないわよ!」

「てか小野山さん下の名前“ありか”なのか。可愛いな。オレも名前で呼んで良い?」

「馴れ馴れしいわね、だめに決まってるでしょ」

「藤田には聞いてないから」



杉野くんは由梨にそう言ってから、改めて私に目を向けて、「名前で呼んで良い?」と聞いてくる。

すごい。友達が多い人ってこうやって一瞬で距離を詰めてくるんだ。



「あ、私のことは好きに呼んで大丈夫だよ」

「よっしゃ。じゃあ在花ちゃんって呼ぼう」



私が名前呼びを許可したら、すかさず由梨が杉野くんをにらむ。



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