隣の不器用王子のご飯係はじめました
「在花ちゃん、実行委員の本部まで一緒に行かない?」
由梨や数人のクラスメイトと写真を撮っていると、杉野くんが私を見つけて声をかけてきた。
「じゃ、行ってくるね」
「はーい。頑張れ」
私は由梨に一時の別れを告げて、杉野くんが待つ廊下に出る。
「えっと、今からは一日の流れの最終確認と、道具の確認だよね」
「確かそう。あーあ、にしてもついに当日だな~」
「本当、今まで忙しかったね」
これまでの大変さが一気に蘇ってきて、自然とため息がこぼれる。
杉野くんはそんな私を見てくすりと笑い、自分もしみじみとした様子で言った。
「うん。だけどオレ、実行委員、在花ちゃんと一緒で良かったよ」
「え?」
「在花ちゃん、真面目で仕事速いしさ。委員会でも意見ちゃんと出すし、すげぇ助かった」
ありがとう、といつもの爽やかな笑みを浮かべた杉野くんに驚く。
そんな風に思ってもらえてたんだ……!すごく嬉しい。
だけどそんなのはこっちのセリフだ。