隣の不器用王子のご飯係はじめました



「わ、私こそ、選手決めのときとか杉野くんが仕切ってくれて本当に助かったよ?それに委員会のときだって、私がたまに的外れなこと言っちゃったとき、杉野くん上手にフォローしてくれたじゃん!本当に本当にありがとう!」

「じゃあそう考えると……オレたち、結構いいコンビだったのかもな」

「うん……ていうか、こういうのってちゃんと終わった後に言うやつだよね」

「はは、確かに本番は今からなのにな」



私たちはお互いに顔を見合わせて笑い合うのだった。







『プログラムナンバー1番、学年別100メートル走です。参加する生徒は……』



晴天の中、放送部の滑らかな声が響き渡る。


とうとう始まった体育祭。

最初は100メートル走からだ。

全員参加競技を除き、同じ人は二度まで出場できる決まりになっている。

だから100メートル走と花形の選抜リレーのアンカーは、大抵どこもクラスで一番足の速い人が選ばれている。



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