隣の不器用王子のご飯係はじめました



2組では本人が予言していた通り遠坂くんが出場。

そしてうちのクラスで選ばれたのは杉野くんだった。


前に遠坂くんが『杉野に勝ちたい』と言っていたのは、こうやって直接対決になることがわかっていたからなのだろう。


私はしばらく準備を担当する種目もないので、クラスメイトが集まっている場所に戻って100メートル走を観戦することにした。



「杉野ぉ!お前絶対勝てよ!」

「1位取れ1位!2組の遠坂なんかに負けるな!」



杉野くんはクラスメイトからのたくさんの声援を受けて、コースに入っていく。

そしてそのすぐそばでは……



「きゃあああ!遠坂くーん!!」

「頑張って~!」

「遠坂先輩っ!かっこいいです!」

「お願い一瞬だけこっち見て~!」



わああ……。

学年問わずたくさんの女の子に囲まれてしまって本人の姿は見えないけど、この騒ぎの中心人物が今どんな顔をしているのかはありありと目に浮かんでくる。


< 73 / 251 >

この作品をシェア

pagetop