隣の不器用王子のご飯係はじめました
私と同じように外を眺める先生がニヤリと笑った。
「はい!」
「素直でよろしい」
午後からの競技も順調に進んでいき、次はとうとう選抜リレーが始まる。
私は無意識に遠坂くんを探していた。
「あ、いた」
ようやくその姿を発見して小さく呟く。
先生はその声を聞き逃さず、頬杖をついてにやにやする。
「あら本当。お姫様抱っこの彼氏」
「だっ、だから彼氏じゃないです!」
そんなことを言っている間に第一走者がスタートした。
クラスごとにゼッケンの色が違うから、遠くからでも見分けやすい。ちなみに私たち1組は赤、2組は青だ。
選抜リレーのメンバーに選ばれているメンバーというだけあって皆足は速い。
だけど、足の速い人が多いクラスとそうでないクラスはどうしてもあるので、差はすぐに出てきた。
第二走者が走り終わった時点で、1組は三位、2組は四位。