ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
車に戻り、バンッとドアを閉めると、スマホの着信音が鳴った。

「クソジジイからか」

タイミングよすぎだろ。
正直、出たくなかったが、有里がどうしているのか気になり、出るしかなかった。

『直真、嫁に逃げられたな』

ざまあみろというような口調でイラッーとしたが、悟られぬよう声のトーンを抑えた。

「たいした喧嘩ではないですよ」

『ほう、そうか?お前の妻はそうは思っておらんようだがなあ』

「死にかけのじいさんが心配するようなことではありませんから」

『その死にかけたじいさんに年甲斐もなく、心配をかけているのはどこの誰だ?』

「ご心配なく。夫婦で話し合いますから、年寄りは気楽に囲碁でも将棋でもやっていてください」

電話の向こうで笑い声がした。
このやろう。

『子供を作らんと言ったそうだな。なんだ。病気か』

「違うに決まってるだろ!!!!わかってて言うんじゃねえ!」

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