ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「―――わかった」

「なら、いいです」

いいのかよと直真さんは小さく呟いて、手を握った。

「帰るぞ、有里。こんな所に一秒もいたくない」

「あっ!ちょっと待って下さいね」

ゲームをセーブして、散らかった荷物をまとめて、リュックを背負っていると直真さんが呆れていた。

「お前、ゲーム機だけはしっかり持って出てくるのか?」

「これがなかったら、生きていけません」

「俺を置いて出て行ったってことは俺はゲーム機以下かよ!?」

「そのひねくれた考えやめてくれますか」

「ひねくれた!?普通、思うだろうが!」

ブツブツ文句をいいながらも、直真さんは荷物を持ってくれた。
玄関に行くと、おじいちゃんが立っていた。

「よくも嘘をついてくれたな。このクソジジイ」

「騙されるお前が悪いんだろうが。そもそも、信頼していれば、離婚の二文字をちらつかせた所で動じないとおもうがなあ」

< 135 / 191 >

この作品をシェア

pagetop