ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
泣くのは
自宅に帰るなり、直真さんは私と向き合ってキッパリと言った。
「いいか、有里。もう二度と、俺と喧嘩しても宮ノ入本邸には行くな」
そんなことを言ったら、『宮ノ入本邸は夫婦喧嘩に有効』と自分で言っているようなものだった。
「わかりました(棒)」
疑いの眼差しを向けていたけど、仕方ない。
おじいちゃん、頼りになるんだもん。
とりあえず、返事をしたので安心したのか、どさっとベッドに転がった。
殴られたところが痛むのか、シャツの下の痣を庇っていた。
「痛そうですね」
「……誰のせいだ」
「直真さん」
「なんだ」
「本当は迎えに来ないかと思ってました」
「それで、お前はジジイに俺よりマシな男を紹介してもらおうと思っていたわけか」
「ひねくれてますねー。違いますよ。いざとなったら、直真さんをボコボコにしてもらおうと思っていただけです」
「てめぇ……」