ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
説明しようとした瞬間、廊下を歩く足音とノックの音が聞こえた。

「あれ?誰?」

来客の予定はなかった。
こっちの返事を待たずに部屋のドアが開き、入ってきたのは竜成(りゅうせい)と秘書の清川(きよかわ)さんだった。

「どういうつもりだ!」

「礼儀がなってないな」

直真さんは頬杖をつき、足を組み、余裕たっぷりな顔で言った。

「突然、瀧平社長が株を宮ノ入に渡したと言ってきた。理由は言えないと。何をしたんだ!」

「人聞きが悪い。快く瀧平社長には株を譲って頂いただけですよ」

快くねえ。
あんな青い顔をしているのが、快くだっていうんなら、直真さんの無理やり奪ったってラインは相当ヤバいんですが。

「そんなわけないだろう!社長は宮ノ入から、独立するために頑張っていた。それを―――」

「それで、こんな頭の悪そうな若造と手を組んだわけか」

「失礼な!」

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