ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
左遷なのか、立て直しのためなのか、わからないけど、そんなことはどうでもいい。
問題はそこじゃない。

「よかったー!国内で!」

「他に言うことがあるだろうが!」

「え?もう特にないです」

はあっーとため息を吐かれた。
それも盛大に。

「子会社に出向で専務だ。これは宮ノ入会長―――ジジイの命令だからな」

「あー、はい。直真さんのおじいちゃんのお願いね」

はいはい、とうなずいた。

「真面目に聞けよ。有里は専務秘書で異動にしたから安心しろ」

「最初から連れていくつもりじゃないですか」

「当たり前だ。お前を残していったら、自堕落(じだらく)な生活しかしないからな」

大正解すぎて、なにも言い返せなかった。

「別にいいですけど。ネット環境だけはお願いします。死活問題なんで」

「気にするところ違うだろ!」

直真さんはぐったりしながら、辞令の紙を奪いとった。

「まったく!」
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