ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「若造。人の妻を拉致して食事とはいい度胸だな」

あ、これ、ヤクザモードだ。
竜成は驚き、目を瞬かせていた。
ガツッと椅子ごと蹴り倒し、腹の上に靴底をこすりつけた。

「誰だ、お前っ」

「八木沢だが?」

足を掴もうとしたのを、直真さんがサッと避けたのを見て竜成はすばやく立ち上がり、構えたのをみて、直真さんが殴りかかろうとしたのを抱きついて止めた。

「有里?」

「直真さん、なにしてるんですかっ!殴り合いなんかしてる場合じゃないんです!」

「はあ?お前っ!俺がどんな気持ちで迎えにきたかわかってんのか」

「私の気持ちだって、わかってくださいよ!今日がなんの日かわかりますよね!?」

涙目で必死に訴えた。

「俺なら有里の気持ちをわかって―――」

竜成が手を伸ばしたのをパチンと叩き落とした。

「もう最低です!こんな無理やりさらって!謝って済むなら警察はいらないんですよ!」

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