ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
ひどっ……!!
ちょっとすれ違い機能を使ってみたかっただけなのに。
マンションの自動ドアが開くなり、ズラッ―と奥様達が待ち構えていた。
うわっ。びっくりした。
ヒマすぎるでしょ!?

「週刊誌見ましたわよ」

「有里さん、浮気なさったんですって?」

「驚きましたわ、直真さんじゃない男性と週刊誌に載っていらっしゃるから」

やっぱりきたか―――ご丁寧に週刊誌まで手にしている。
直真さんがにっこりと微笑み、前に出た。

「あれは有里に班目(まだらめ)ファンドを探ってもらっていただけですよ。いわば、仕事です」

あれだけ、ブチギレておきながら、いけしゃあしゃあと直真さんは言ってのけた。

「いつも時間を持て余している方々には想像もできませんでしたか?」

「なっ!」

「私達夫婦より、ご自分の旦那の心配をされるといいですよ」

全員が言葉に詰まった。
さすが、相手の弱みを的確に突く。

< 174 / 191 >

この作品をシェア

pagetop