ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「直真さん、よくきてくれたねー!いつも有里が世話になって。あの子、本当にグータラでゲームばかりして、おおざっぱだから」

「いえ、そんなことは―――」

にこやかに笑みを浮かべて完全に否定しようとしたが、否定しきれねぇ……。
俺の演技力もまだまだだな。

「有里っ!!直真さんを放ってゲームしてるんじゃないだろうね!?」

「そんなことしてないってー、やだなー」

慌てて有里は伊吹の部屋から出てきて、ささっと俺の隣に座った。
嘘を吐けよ。
伊吹のパソコンでゲームしてただろうが、と冷ややかな目で有里を見ると俺の視線に気づき、『助けて!』と言っていた。
誰が助けるか!
たまに叱られたほうがいい、こいつは。

「直真さん、手土産なんていいからね。もう有里の面倒を見てくれるだけで十分だから」

「いえ。いつもご無沙汰しておりますから」

「はー、有里はこんな素敵な人をよく旦那様にしたね。顔もいいし、優しいし、心も広いし……」

「騙されてますよっ!顔はともかく、優しいとか、心が広いとかっ……」

「お前を嫁にもらってくれただけでありがたい話だよ」

あの有里がぐっと言葉に詰まった。
さすが、お義母さん。
正しい目をもっているな。

「有里、これが一般的な目だぞ」

有里は恨めしい目で俺を見ていた。
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