ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
夕飯が終わると、ホッとしたように有里が俺の手を握った。

「帰りましょう!!!早く!」

せっかく実家にきたっていうのに慌てなくてもいいだろ?と思いながら。俺は席を立った。
そんなに帰りたいのか?
それが少し嬉しかった。
普通は実家の方がいいもんだろうと思っていると―――

「待ちな。有里」

お義母さんの制止の声に有里が『ううっ』とうめいた。

「これ、持って行きなさい」

「い、いりません!絶対に!」

「わざと忘れても伊吹に届けさせるからね!」

「有里、諦めろ。木村家総司令官の命令には逆らうな」

伊吹は紙袋を有里に差し出した。

「また青汁じゃないですかあああ」

こいつっ!!
青汁が嫌で早く帰ろうとしてたのか!
爽やかな笑みを浮かべ、青汁を受け取った。

「ありがとうございます。有里にちゃんと青汁を飲ませますから」

「直真さんは本当にできた旦那様だねえ」

今回もお義母さんの称賛を受けて、木村家の夕食会は無事終了した。
有里の方は紙袋を見て『こんなにたくさん青汁が……』と半泣きだったが。
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