ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
さあ、どうぞと目の前にコントローラーを差し出したけれど、それを叩き落とされた。

「ふざけんな!何が三国志だ。……ったく、蕎麦の出前を注文してあるからな。届く前にゲームをやめろよ」

はいはいと思いながら、勝利すると直真さんに向き直った。

「明後日から新しい職場ですけど」

「そうだな」

「直真さんは自分が曹操だと思って考えて下さい。有能な武将である関羽を手に入れるためにあれやこれやとやらかしますけど、結局、忠義には勝てないんですよ。これもひとえに劉備様の人徳ですよね」

「何が言いたい」

「異動先では曹操のように振る舞わず、人徳を持って人に接してくださいね?」

「お前、俺に対して言いたい放題だな?」

あ、言いすぎた?
オーラが黒い。
さすが昔、ヤバイ連中と付き合っていただけあって、凄味がある。
自分の胸元のボタンを外し、私の手からコントローラーを捨てた。

げっ!!

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