ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
もしかして、歓迎されてない?
ギルドに入ってくんなよ的なオーラを感じた。
新参者め!というよりは、身内意識が高いギルドみたいで、外からの人間に打ち解ける様子はない。
皆の冷たい態度に気付いているはずなのに直真さんはまったく動じず、微笑みを崩さなかった。
気になったのは―――姫愛ちゃんが私を完全無視だったということ。
行く先々で直真さんは紹介しても私はいないかのように無視で目も合わせない。
社員の人達も私のことは気にせず、社長の娘がきたとばかりに喜んで挨拶していた。

「姫愛お嬢さん」

と、ちやほやされているのを私と直真さんに見せていた。
これが噂の姫ちゃんか。
現実世界(リアル)で体験するなんて、貴重すぎる。

「直真お兄様、一緒に社食に行きましょう」

それを聞いて私は秘書らしく、キリッと居ずまいをただし、前に出ると姫愛ちゃんに言った。

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