ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい！

けれど、私の容姿は可愛い方だし、大学もお嬢様が通う有名な女子大を卒業して宮ノ入家の嫁としての肩書きは完璧だったはず。
私のお見合い写真だって、宮ノ入家に渡している。
直真お兄様と結婚できる資格は私にだって十分にあったのに―――どうして？
愛人の子と直真お兄様は呼ばれてきたから、きっと自分の立場をしっかりとしたものにするべく、どこかのご令嬢と結婚すると思っていたのに。
それなのに選んだ相手は小さな酒屋の娘。
さぞや美人なんでしょうねと期待していたら、あまりに普通すぎて、呆れてしまった。

―――直真お兄様はどうしちゃったのかしら？

でも、今となっては相手が大したことない女の人でよかったかもしれない。
私にもチャンスがあるってことだから。

「お兄様、歓迎会に参りましょう」

さっそく歓迎会を理由に直真お兄様を誘うと、優しい笑みを浮かべてくれた。

「歓迎会ですか。有里も一緒に―――」