ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい！

有里さんは悲しげな表情を浮かべ、首を横に振った。

「直真さん。ごめんなさい。一人で行って下さい。私には重要な任務(ミッション)がありますから」

直真お兄様のお願い以上に大事なことってなに？
そんなのないわよ！

「そうですか。わかりました」

直真お兄様は残念そうに言うと、深いため息をついていた。


◇ ◇ ◇ ◇ ◇


歓迎会の次の日―――私はお弁当を手にしていた。
昨日の約束通り、直真お兄様と楽しくお昼を過ごそうと役員室のドアを開けた。

「お兄様～！一緒にお弁当を食べましょう」

役員室に行くと今からお昼だったのか、有里さんがお弁当を広げていた。
プロが作ったみたいにきれいなお弁当だった。

「お兄様、これ私が作ったお弁当です。よかったら」

「そんなに食べれませんよ」

有里さんに気を遣っているのか、お兄様はそんなことを言った。