ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
『その外面の良さをやめて、いつものヤクザぶりを出せばいいんですよ』と目で合図して返しておいた。
伝わったらしく、軽く睨まれた。

「それじゃ、失礼します」

姫愛ちゃんの手にあった焼き菓子を取り上げて、もぐもぐと食べると、箱を棚の中にしまい、鍵をかけた。
素早い動きに姫愛ちゃんはついてこれず、呆然と私を見ていた。

「結構、このお菓子。甘いですね。紅茶飲もうっと。あ、姫愛ちゃんも飲みます?」

「ひどいっ」

姫愛ちゃんはぶるぶると怒りで手を震わせていた。

「そのお菓子は直真お兄様のために持ってきたのに」

「はいはい。直真お兄様は仕事なので、ちょっとすみませんね」

背中を押して部屋から出した。
直真さんはやっと邪魔者がいなくなったというようにため息をつくと、仕事に戻った。
いつもなら、もっと厳しく対応するのに姫愛ちゃんに優しい気がするのは気のせい?
私が焼きもちとかじゃなくてね?
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