ネトゲ女子は結婚生活を楽しみたい!
「なんだ、それ!嫌なやつじゃないか!」

「え?そうですか?」

「そうだって。そんな奴と結婚して楽しいのか」

「えっと、はい、まあ」

楽しくやっている。

「俺ならもっと―――」

「でも、顔はすごくいいんですよ!」

一応、フォローしたつもりだった。
けれど、竜成の反応は冷たかった。

「顔がよくても性格が悪いんだろ?そんな奴、やめておけよ」

性格が悪い―――そこはフォローできなかった。
ゲーセンの中に同じ会社の人なのか、竜成を呼びに来たらしいスーツの男の人がいた。
それに気づいた竜成がその人に目でうなずき、私の結婚指輪をした手を握って言った。

「俺は諦めが悪いんだ。欲しい物は手に入れる主義だ。またな。有里」

「……えっ!?ええええ!?」

いや、普通結婚してるっていったら、諦めるでしょ!?

ま、待ってよー!

竜成は自信たっぷりな様子でゲーセンから出て行った。
まさか、私がモテてる!?
直真さんならともかく、自分がこんな立場になろうとは夢にも思ってなかった。

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