片翼を君にあげる②

いつからだろう?
可愛くない女の子になったのは……?

幼い頃、ランやレノアちゃんと一緒に花を摘んで冠を作ったり、あやとりや人形遊びをした時もあったのになぁ。
あの頃は、王子様に護ってもらえるような見た目も中身も可愛い女の子だったっけ……。


そうそう、7歳の時だ。
今のままじゃいけない、って思って変ったのは……。

夢の配達人に恨みを……。と言っても完全な逆恨みで、全くこちらに非はないんだけど、恨みを持った人が最高責任者(マスター)である父を脅迫しようと私を誘拐したの。

怖くて何も出来ない私に、誘拐犯は密室で迫って来て……。

『ーー貴様!ノゾミ様を放せッ……!!』

助けが来るのがあと少し遅かったら、私は誘拐犯に犯されていた。

その時に私を助けてくれたのが、瞬空(シュンクウ)だった。
彼は私が人生で最後に流した涙を見た人……。


ーーそして、私の人生はガラリと変わった。

夢の配達人最高責任者(マスター)の娘として、決して夢の配達人の者達と変わらぬよう、男達に劣らぬよう、生きる事を決めた。

瞬空(シュンクウ)は私の師匠(せんせい)を買って出てくれて、様々な身を守る方法や、武術や武道を教えてくれた。

そして……、…………。

……
…………。
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