片翼を君にあげる②
男の子、って難しいな。
恋人同士、って、どうすればいいんだろう?
ツバサと最後に会ったのは、アッシュトゥーナ家。あの時はポケ電の番号を交換したり、やっと素直に色々話が出来たり、楽しくて嬉しかった。
その後は、たまにメッセージのやり取りをして……。
あ、そうそう。一度だけ、レオが私のポケ電からツバサに電話しちゃって、それがキッカケで電話で話した。
まさかの初電話にドキドキしちゃったけど、声が聞けて嬉しかったなぁ。
『……ね、レノア。何か、しゃべって?』
『何でもいいんだ。聴いてたい、お前の声』
そう言われて、すごく嬉しかった。
私達、やっと恋人みたいになれたのかな?って、浮かれて……。電話が切れちゃってからも、にやにやが止まらなかった。
でも、……。
『レノアーノ様。
蓮葉様が仰せの通り、現在私はアメフラシの儀式を恙無く行う為の大事な任務中にございます。どうぞ、貴女様もご自分の活動に集中下さい』
今日会ったツバサは、素っ気なかったな。
会えたのは本当に偶然。
ツバサはあまりメッセージくれないし、お互いのスケジュールを話す事もしない。
あれかな?
男の人は、あんまり自分の仕事をしている所を見られたくない、ってやつなのかな?
私は知りたいよ。
色んなツバサを見て、もっともっと、誰よりも彼に近い存在になりたい。
会えて嬉しいーー。
そう思ってたのは、私だけなの?
……
…………。